COLUMUN
法律コラム

代表弁護士の水谷です。
世の中で注目されている時事問題について、法律に関わる部分で解説したいと思います。
2024年6月21日、最高裁判所が性別変更後に凍結精子で生まれた子と親子関係認める判決をしました。
本件は実質的に「同性婚のカップルの子をカップルの子と認める」ものとなり、注目を集めています。
(参考記事はこちら/NHKNews Web「性別変更後に凍結精子で生まれた子と親子関係認める 最高裁」
これまで法律上、同性婚カップルの子の親子関係を認められてこなかった
戸籍上の性別にかかわらず、「血縁上の親子関係を基礎にしている」
判決では、
「親子に関する法律や制度は、血縁上の親子関係を基礎にしている。
血縁上の父子関係があるのに、戸籍上の性別が女性という理由で認知されなければ、子どもが養育を受けたり、相続人となったりすることができないから、子どもの福祉や利益に反するのは明らかだ」
としています。
そして、婚姻関係にない男女の子どもについては、生物学上の父親の戸籍上の性別にかかわらず、認知を求められると判断したのです。
本件は、トランスジェンダーの元男性が、戸籍上女性に転換してから、パートナーの女性との間で凍結保存した精子で子をもうけ、これを認知したものです。
つまり、認知する父が戸籍上男性でなく女性になっていても、血が繋がっているなら認知を認めるという判決でした。
親の戸籍上の性別にかかわりなく、子の福祉を重視するもの
あくまで、認知の基準に血縁があるかを重視していることがわかります。
その点では、あらゆる同性カップルに二人の間の子を認めたとまで評価できる判例ではまだないかもしれません。
昨今ご協力させていただいた記事の内容とは背景が異なるゆえ、記事自体の訂正を必要とするものではないと考えています。
しかしながら、今回の最高裁判例は、親の戸籍上の性別にかかわりなく子の福祉を重視するものとしては、エポックメイキングなものとなります。今後の立法への反映が期待されます。
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