COLUMUN
法律コラム

「別居」が起きるのは、大きく次の2つの場合があると思っています。
ひとつは、「もう耐えがたい」という感情的な別居。
もうひとつは、計画的な別居。法定離婚事由としての破綻が必ずしも成立していない場合(モラハラなど)に、裁判に移行することを視野に、別居という補強事実を加えるための行為。
そこで、今回は「別居」について。これまで多くの家事裁判を担当してきた弊所代表・水谷弁護士が、改めて離婚への基礎知識をシリーズで解説しています。
別居の時に気をつけなければならない「連れ去り」のこと
別居には、子どもを連れて勝手に出て行って(別居して)いいか、という「連れ去り」の問題もあります。
日本国内には、現在、配偶者の一方が子どもを連れて家を出ることを「違法」と断じる法律はありません。
その一方で、婚姻継続中であっても、連れ去って 単独監護に入った子を自力救済的に戻そうとするとそれは「誘拐」罪であるという非難を受けることになります。
※離婚係争中の父が、母の監護する子を保育園帰宅途中に連れ去った事案を誘拐罪とした最高裁判決(平成17年12月6日)もあります。
「連れ去り」に対する諸外国の対応
そのため、配偶者の一方が子どもを連れて出る「連れ去り」が是認され、横行していると批判を受けることがあります。
これに対して、諸外国では、子の“連れ去り”行為を合法とはしておらず、例外的な場合に許容されるものとしています。
具体的には、
①連れ去られた側が実際には監護していなかったこと
②連れ去り前に同意していたこと
③連れ去り後に黙認したこと
④帰宅させれば子が心身に害悪を受け、又は他の耐え難い 状態に置かれる重大な危険があることなど
※この点では、いわゆるハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)の13条1項が参考になります)がこれらの例外要件とされています。
実際は、他方に告げずに家を出るというのは、この場合のいずれかに当てはまることが多いと思いますが、まずは話し合えるのでれば協議をつくすべきであることには変わりがありません。
日本の場合、夫婦中が急速に悪化した場合に裁判所を使わずに話し合える制度、風土がないことが、“連れ去り”の原因になっているように思います。
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