COLUMUN
法律コラム

第2回●「別れた夫に子どもを会わせる?会わせない?」
前回から始まりました、水谷弁護士の新コラムです。
法で解決できること=人生においてハッピーエンドか、必ずしもそう言い切れないのが世の常です。権利を獲得し、お金で解決することができたとしても、それが結果、長い目で見たときに良かったかどうか…は、渦中にいると見えにくいもの。ここでは弁護士水谷がご相談を受けている際、よくクライアント様から受ける相談の法律外のお話をお伝えします。多くの人生に寄り添ってきた彼女だからこそ言える、芯の部分が垣間見えると思います。
■相談内容
離婚した夫が「子どもに会いたい」と言ってきます。私の気持ちはできるだけ会わせたくないのですが…、どう思いますか?
■水谷の考え
子どもに全く無関心な男性もいる中で、「子どもに会いたい」と言ってくれているなら(虐待などの疑いがない限り)素直に会わせてあげたら?と、私は思います。これは「離婚しても、両方が親だから」といった理念に基づいた考えではなく、単に子どもの将来の可能性を考えた時に「出資してくれる人がもう一人いた方が心強い」と考えるからです。
この先、子どもを私立に行かせたい、留学させたいなど進路のことや、旅行や日々の習い事まで…自分一人で全てを背負うのは大変ですが、二人いると可能性は広がります。しかし、これまで一切会わせていなかったのに突然、「私立に行かせたいので…」とお願いしても、相手からしてみると「そんな急に言われても、都合が良すぎないか?」と思われても仕方ありませんよね。
実際「子どもを別れた夫に会わせたくない」という人も多いです。その理由の多くは嫌がらせなどではなく、本人の心情的な部分が多いと思われます。「子どもが取られてしまうのでは?」と不安に思ってしまうようです。しかし、私も子どもが2人いますが夫とは籍を入れていませんので、気持ちはよくわかります。相手の方へ行かれている間は、確かに悶々とはしてしまいますが、娘は普通に笑顔で帰ってきますし、「お父さんと暮らしたい」と、言い出すこともありません。娘の方がよくわかっているので、両方に良い顔をして普通に帰ってきています。
一方で「父親ばかり良いとこばかり持っていってずるい」「楽な部分だけ持っていくのが許せない」と思う人もいるかもしれませんが、そこは疑問に思います。そんなに対等じゃなきゃいけないのでしょうか? 向こうは向こうなりに大変なこと、辛いこと、さみしいこともたくさんあると思います。そんな自分の損得勘定よりも、大切なのは子どもの将来。子どもと父親が繋がってさえいれば、子どもが何かしたい!となった時の可能性はぐんと広がると思いますよ。
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